突然ですが、みなさんはロシアといえば、何を連想しますか?
ロシアといえばマトリョーシカ。
ロシアといえば宇宙開発。(最近では隕石のニュースも印象的ですね)
「ねえ今夜、ロシア音楽聴きにいかない?」
と、東京で木枯らしいちばんが吹いた、というニュースとともに舞い込んだロシア音楽鑑賞のお誘い。
「ロシア音楽って…t.A.T.u?」
ジャンルにかかわらず、突然のお誘いはわりと快諾してしまう新人staffです。
いよいよ冬の到来を感じながら木枯らしが吹き荒れる東陽町の駅に18時45分に到着しました。
「お寒い中、ようこそいらっしゃいました」
(と温かく迎えてくださったのは日本ユーラシア協会の副会長さんだったそうです!)
受付のみなさんもぞくぞくやってくるお客さまも、とてもt.A.T.uのファンにはみえません。
みなさんお年を召されていて相応の上品なおめかしをしています。
それもそのはず、本日の演目は日本ユーラシア協会が主催する
「モスクワ・クァルテット2013東京」。
ロシアはロシアでも、ロシア民族楽器の演奏会だったのです!
モスクワ・クァルテットのメンバーは、
ロシア民族楽器バラライカの人間国宝級奏者ヴァレリーザジーギンと、
その妻ラリーサ・ゴートリブ(ピアノ)、
ロシア民族楽器ドムラ最良の演奏者で「ドムラキング」の異名をもつアレクサンドル・ツィガンコフ、
その妻でロシア民族楽器グースリの優れた奏者であるインナ・シェフチェンコによる
最高のロシア民族楽器演奏家夫婦2組によるクァルテットなのです。
ロシア民族音楽の至宝、モスクワ・クァルテットの東京公演は江東区文化センターホールのびっしりと席を埋めた観客の気配のなか、おごそかに開演されました。
どうでもいいですが江東区文化センターのおトイレは衝撃的なキレイさでしたよ(わが社のおトイレの何倍も…)。
指揮者はいないため演奏者は目を合わせて演奏をはじめます。
しーんとしたホールにバラライカの弦がはじまれる甲高い音が響きわたります。
コミカルでハイテンポな曲はもちろん、
チャイコフスキーの「四季」の「トロイカで」やラフマニノフなど重厚な曲まで、
見た目はウクレレでも幅広い音を見事に奏でるのはやはりプロの技なのでしょうか。
4人のクァルテットの演奏の合間に夫婦のデュオ演奏、
ツィガンコフとザジーギンのデュオ演奏というように
演奏者が入れ替わりながら曲が次々と演奏されてゆきます。
さすがともに演奏して30年以上。
音を打ち合わせるような激しい演奏も長―い余韻も、
ザジーギン夫婦の合奏は見事に息の合った夫婦喧嘩のようです。
「きみはいつもここで遅れるね」
「あら、あなただってあのパートは激しく弾きすぎてると思うわ」
という会話が聞こえてくるよう。
宮城道雄さんの「春の海」なんてロシアの民族楽器ということを忘れるほど艶っぽく、
情緒あふれて美しいではありませんか。
ふたりで手をつないで仲良くお辞儀するところも、
「こんな夫婦いいなあ~」と女子心をしっかりとくすぐります!
鳴り止まないアンコールに応えて2回も出てきてサービス満点のモスクワ・クァルテットの演奏は
「ぼくたちはまだまだいくらでも演奏していたいよ」
という夫たちの声と、
「ほらほらあなたたち、いいかげんにしてちょうだい。ここらで一気に盛り上げて切り上げましょうよ。
うちに帰ったらソファでウォッカを飲むのよ」
という妻たちの声が聞こえたようでした。
写真は本日の舞台
日本ユーラシア協会 石川さんによる秀逸な「いまどきすべて手書き」の両面チラシとともに。
しかし学生時代によくあった子守唄の音楽鑑賞会とはまったく違って心から楽しんだ自分に驚きました。
ロシア音楽といいながらどれもからだが勝手に動きだすほどなじみのある曲ばかりなのですもの!
頭にはドレッシングやチーズ、ふりかけに保険といったおなじみのあのCMやこのCMが鮮やかに浮かびます…。
自分の日常でこんなにたくさんロシア音楽が使われているとは、ますますロシアを身近に感じた夜でした。
たまにはおめかしして夜の演奏会にくりだすのも、いいですね。
モスクワ・クァルテットは本日もなかのZEROホールで19時から開演です♪
懐かしいあの人を突然誘ってみてはいかがでしょうか。
帰りにすかさずロシア料理を食べたかったのですが、あまりの風と寒さに急遽、ふぐ鍋に変更となりましたとさ。
ブラーボ!スパシーヴァ!