2008.08.18
豊かさ
「今の世の中は、昔に比べたら食べるにも困らないし、何でもあるんだべどもはっぱ(全然の意)豊かになったとは思わねぇな。買えば何でも手に入るんだべども、いい事はっぱあるとは思わねな。」
母方のおじいちゃんの言葉です。
このおじいちゃんは、戦後農地に開拓に入り、畜産と酪農で生計を立ててきました。
手をかけた広い庭には、植物好きの友人達がいつも来ていました。
今も井戸水で、冬は蒔ストーブでいつも蒔が割ってあり、身体が不自由になるまでは、食べる野菜はほぼ作っていました。
自給自足の出来る生活です。それが誇りのようでした。
身体が不自由になった今でも、盆栽の本をたくさん読んでいて、地元の歴史にも詳しいおじいちゃん。
おじいちゃんは、物の豊かさではなく、心の豊かさを言ったのだと思います。
私の世代もそうですが、なんでもすぐに手に入る今の世の中、逆に心が不安定な人が多い気がします。お金をかけずに、時間と手間をかけていた頃、生活がもっと丁寧だったとおもいます。野菜も植物の動物も時間と労力、愛情をかけなくては育ちません。
丁寧な暮らしの方が、ずっと豊かかもしれないと改めて感じた帰省でした。