できることなら、毎日湯船に浸かりたい。
冬の悩みはおばあちゃんゆずりの冷え性。新人staffです。
お風呂のなかでは本を読みます。
最近読んでいた白州次郎さんが行方不明なので
奥沢図書館から届いたこちらです。
『百姓が地球を救う』
そうです!
あの「奇跡のりんご」の木村秋則さんです。
できるだけ多くの人に読んでほしい。
ただただそう思う本です。
木村さんのプロフィールは1949年中津軽郡岩木町(現在弘前市)生まれ。 弘前実業高等学校商業科を卒業。集団就職で川崎市の電機メーカーに就職するも、1年半で退職し弘前に戻る。結婚。まもなく無農薬リンゴの栽培を始める。11年目に完全無農薬・無肥料での栽培に成功。
とあります。
11年間。
決して短くない期間を費やしてとうとう成功した木村さんの自然栽培はいまや世界に発信されあのオーガニック先進国ドイツでも絶賛されているのです。
11年間の血を吐くような苦労と自然栽培の素晴らしさは本を読んでいただくことにして、わたしは木村さんという人に本当に驚いてしまうのです。
はじめのことばには
「わたしは農家ではなく百姓です。
ただ、百を知って百姓ですから、わたしはまだまだ一姓か二姓。
さらなる努力が必要でしょう」
とあります。
木村さんはとても謙虚です。
「すべてはりんごが、自然が教えてくれた。わたしたち人間なんてこの腕に花のひとつも咲かせることもできない存在なのです」
と、いつも自然に感謝しています。
木村さんの本には日常の自然が丁寧に描かれています。
テントウムシがアブラムシを1日に何匹食べるか数えながら
「ひとは害虫害虫というが害虫と呼ばれる虫たちはどれも可愛い顔をしている」
といい、(テントウムシがたべるアブラムシは1日にたったの5、6匹だそうです)
りんごの葉の裏をはうシャクトリムシが差し出した指によってくるのをみて
「かわいいなあ。お母さんだとおもっているのかな」と害虫さえも可愛がる木村さん。
じつにあたたかいまなざしで自然を観察しているのです。
木村さんの文章は、難しい言葉は少なく、非常に読みやすいと思います。
年間11回、ふじりんごに散布される農薬と害虫の記述も、
「なかには面白い名前もありますのでぜひ読んでみてください」
とすすめてくれます。
たしかにイカズチWDG、フェニックス顆粒、オンリーワンFL、ダニゲッターFLにダニサラバFL。
どれも強そう。
ギンモンハモグリガやハダニがいっせいに逃げてゆきそうな名前です。
木村さんは薬品や害虫の名前を面白がっている。
なんだか子供のようなひとです。
ダイコンが時計回りに回りながら地中に入っていく話も、
きゅうりのつるが子供の指にだけくるりと巻きつく話も、
家族で農薬を使っていたころの背なかの毛が逆立つようなおそろしい話も、
ついくすくす笑ってしまったり、
お店で売っている果物が食べたくなくなってしまうほど、
とっても上手です。
いつかお話を直接聞いてみたいので
「もし会えるなら誰に会いたい?」という質問があれば、
即座に「木村さん」と答えると思います。
そして、木村さんはもしかしたらあの、
微生物環境研究所のおじいちゃん先生、平井孝志先生に
すこし似ているんじゃないかと、勝手に想像しています。
(それから木村さんは過去に2回ほど宇宙人と接触しているので
そのときのお話もぜひ聞いてみたいのです)
はやくネットで注文した自然栽培のりんごが届くといいな。
みんなに分けてあげなくちゃ。
そんなことを考えながら、バスソルトを入れたお風呂のあとはからだがぽかぽか。
すぐにお布団に入ってあっという間に眠りについた新人staffでした。
http://www.8dori.org/shop/
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