震災からしばらく経過し、報道も少なくなってきました。
そればかりか、原発のニュースはほとんどなくなり、あれほどの恐ろしいことが起こったにもかかわらず、また、起こり続けているにもかかわらず、まるで「なかったこと」のようになってきています。
地震・津波は自然の猛威です。本当に恐ろしいものですが、自然とともに生きてきた農家の方、漁業の方は、その恐ろしさを心底実感しながらも、いままではその恩恵を自慢にも思い、大切に思ってきたのではないでしょうか。
ですから今、特別な想いを抱えて、未来を見据えているのだと想像いたします。決して当事者の方にしか分からない想いだと思います。
しかし、原発は人災です。
「皆がもとの生活にもどる」ために現在、最も必要とされていること。
それは放射能汚染地域の土地の除染、地域の回復、農産物・海産物の回復ではないでしょうか。
これができたなら、観光、産業のすべてに対しての風評被害もなくなります。
今回のコラムでは、その除染実験の活動をご紹介したいと思います。
先人が長年かけ幾多の心血を注いで築きあげたのどかな農村。住みなれた住民、わが村ならではの美味しい野菜や美しい花。全国ブランドにもなった飯館牛、『日本一美しい村』にも制定された農村文化。
住むことに誇りをもてた村、福島県飯館村。
ご存知のように、飯館村は東京電力の福島第一原発事故のため、 2011年4月村内全域が計画的避難区域に指定され村民は避難を余儀なくされました。
2012年7月から、新たに避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域の3つの避難指示区域に再編されていますが、今もなお、ほとんどの住民が避難をつづけ、元の生活に戻ることが出来ません。
そんな中、アクアヴィ原料開発者の平井孝志氏は、10数名の同じ想いをもった有志とともに、自費で飯館村に入り、除染活動の実験を行いました。
地震発生5ヶ月後の2011年8月から除染をはじめ、5ヶ月かけて40%、9ヶ月で90%を実現しました。
とてもすごいことですね。
国としてこの除染がなされた場合には、皆がもとの生活にもどることができるかもしれません。
▽微生物が放射能を食べてくれる?
原発事故で汚染された土壌の放射能は、微生物でなくせるはず…
「3・11」東日本大震災の直後、毎日新聞社系の文化誌「ニューライフ」で、発表したところ、「本当ですか?」「微生物が放射能を食べてくれるのですか?」など、あちこちから質問を受けました。
ほんとうです。はったりではありません。
いまは無人の村となっている福島県飯館(いいたて)村内の知人の畑と、ボランティア有志のご労力を借り、2011年の初夏から「サンバース」やミネラル多元素共存の花崗岩粉をまいた畑、まかない畑を11区面設定し、こまめにガイガー計測器でしらべ、定期的に放射線数値を記録してもらっています。
「サンバース」というのは、私平井が二十年余がかりでこつこつ開発した、長期熟成堆肥(有用循環土壌)の名前です。完成した所謂、地球の上質土壌が原発事故の尻拭い役の力をもつと直観していました。それは、私とは関係なく地球さまの自前の地球土壌だからです。これが施用された「土」=「農耕土」は地温もそれなりに上昇していることもわかっています。
実験の中間結果-----。
「サンバース」を撒いた方の畑の土は、4〜5ヶ月で、放射性セシウムが、マイクロシーベルト単位で、撒く前に比べ40%ほど減りました。
▽放射能と相撃ちしてくれる微生物さま
これまで確かめられて来た「サンバース」の、農産物への影響から見て、堆肥中の微生物さんが、放射能をうまいこと丸めてくれる、あるいはなくしてくれるのでは…という推理が、地元の協力を得て、除染活動に発展しました。
役所が応援してくれているわけではなく、環境問題諸般の活性化浄化に四十余年取り組んできた微生物と仲良しになって仕事をしたいと生きてきた一介の老人とその仲間たちが自主的にやっている実験です。
そして、長期熟成堆肥中の微生物群は土中の放射能を花崗岩由来の細粉砂と共同して着実に減衰してくれる…と結果が出ました。五ヶ月で40余%ほどの減衰です。
長期熟成堆肥中には多種の微生物群の活動の結果できる代謝物中には重金属を挟み込んでキレート化し、無害化する作用も豊かに存在することが先輩・先祖の実践研究からわかっています。
ただし、放射能を「食う」または「分解する」というのは正確ではありません。
正しく言うと、微生物が自分の身を挺して、有害な放射線と相撃ちしてくれるんです。
そして、どんどん増える微生物と戦い続け、疲れ果てたセシウムが、例えば、他の元素…例えばもともと地球上にあったバリウムに変わるのです。セシウムからバリウムに、常温原子転換が起きるのです…これは、本当の話です。
平成23(2011)年12月14日 平井孝志 著
思えば、アクアヴィの原料が排水に流れ出ると川をキレイにするといったことは、海や川に流れ出る洗剤などの生活排水、農薬や工場排水による重金属を除去して、環境ホルモンを凝縮させたくない、キレイな地球のままで未来に残したいという思いがあり、また事実としても、大変めずらしく素晴しいことですので、お伝えしてきた内容でした。
アクアヴィ使用後の排水に含まれる「酵素」と「ミネラル」が川の浄化に貢献し、環境ホルモンまでもを除去していきますので、あえて知っていただきたいと思い、お伝えしてきました。エコ割をご利用いただいている方にとってはよくご存知の内容だと思います。
しかしながら、この原発事故による「放射性物質」は、洗剤や農薬、工場排水などから流れる重金属などよりも、短期的にも、未来を考えても、はるかに猛毒で、影響を与えつづけます。 半減期が何十万年というものもあります。
今回度々出てきました長期熟成堆肥「サンバース」はアクアヴィの「川をきれいにする」もととなっている「多元素ミネラル」と「酵素」といった平井氏独自の技術が沢山詰まったもの。
原料としては、さらに沢山の微生物が入ることにより、生き物の代謝に働きかけ、有害物質をなくして、健康で安全な、ミネラル豊富な土壌をつくっていくことが出来ます。
もともとは農薬などの有害物質除去、土地の回復、健康で安全な野菜作りに役立っていたのですが、現在問題になっている放射能に対しても、「役立つはず」と平井氏は確信していました。そして、的中しました。
これがもし本格的に被災地で実施できたなら、土壌の汚染がなくなり、野菜の汚染がなくなるほか、地中にそれらが流れ、海に流れ出ますと海までもきれいにしていくことができます。
(海まできれいにしていくというのは、以前まとめました、「海や川をキレイにする理由とは?」にもあります。
まさに、皆が願っている方向に進んでいくことを意味します。
わたしも、アクアヴィの担当者として、この事実を知り、政府の有力と思われる方に伝える努力をしました。…しかし、心底この内容を他人(ひと)の為に行いたいと思う方がいて、そこに多くの協力者がいなければ、なかなか難しいことのようです。
お客さまの中に、どなたかこの内容を進めていくために重要と思われる方をご存知のかたがいらっしゃいましたら、どうか自分のこととしてお考え頂き、お伝えいただき、善意の輪が広まることを願っております。
心より、宜しくお願いいたします。
端緒を開いたのは、福島県浪江町出身の元日立製作所社員の根本鎮郎氏(65)。
根本氏は竹と微生物で放射能を低減できるのではないかと考えて昨年6月、仲間と滋賀県草津市にある微生物的環境技術研究所平井孝志主幹を訪ねた。
平井氏は毎日新聞社系『ニューライフ』の同年7月号に掲載された自身へのインタビュー記事を見せ、「発酵フミン化堆肥システム」を用いれば放射線物質の低減が可能なはずと持論を開陳。根本氏らは耕作不能となった故郷の土を蘇らせられるかもしれないと行動を開始した。
平井氏が語った放射能低減の原理とはー。
大地に散在している放射性物質を多孔質(花崗岩粉・珪藻土など)に吸着させ、それらをミネラルが豊かな上質の熟成堆肥とからめることで膨大な微生物群(土壌1グラム中に1〜3億個)が放射能を吸収、保存する。放射性物質の拡散を止めた上で、生き物である微生物群(十分発酵させた堆肥を混ぜた15〜20センチ厚1メートル四方の表土には5〜10兆個もいる)が放射能処理に参加してくれる。
その決め手になる「フミン酸」は動植物に由来する天然物質である。有害な有機物と結合して、その残留や拡散に影響することが近年指摘されている。
フミン酸は、微生物の‘うんこ’の発酵の産物。ただし、フミン堆肥の本格的な製造には、1〜2年を要するという。
根本氏は、福島県飯館村の農家の協力を得て、平井氏がコツコツ開発してきた長期熟成堆肥を用いた緊急除染実験を実施した。
昨年8月の開始から5ヶ月で放射能が40%余りも減衰、今年5月のベクレル測定時には90%減衰していることが分かったという。実証実験が行われた畑は1区画4m2、11区画の広さ。広範囲ではないが、平井氏の予測が的中した。
引用:未来共創新聞 平成24(2012)年10月15日発売号
▽「わしも殺せ、わしも殺せ」と立ち向かう
引用:未来共創新聞 平成24(2012)年10月15日発売号
【5ヶ月目 2011年8月〜2012年1月までの記録】
開始から5ヶ月で40%減衰しています。
【9ヶ月目 2012年5月までの記録】
開始から9ヶ月で90%に減衰しています。
平成24(2012)年9月27日平井孝志氏から アクアヴィスタッフ上村へのお手紙の一部